京都大学アフリカ地域研究資料センター、SATREPS「特殊土地盤上道路災害低減に向けた植物由来の土質改良材の開発と運用モデル」プロジェクト共同主催
2021年度アフリカ地域研究資料センター公開講座
「工学研究者、アフリカへ行く! “MNGDプロジェクト”の挑戦」
アフリカでは、古来より人やもの、情報のやりとりを様々に発達させてきました。そのなかでも、物理的な往来を容易くする「道」の存在は欠かせません。航空機や高速道路による長距離移動やSNSなどの情報通信が多用されるアフリカで、ともすれば村と村をつなぐふつうの「道」の重要性は看過されてきました。今回のアフリカセンター公開講座では、この「道」に注目して2019年からエチオピアで共同研究をはじめた工学研究者たちの挑戦をとりあげます。SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)「特殊土地盤上道路災害低減に向けた植物由来の土質改良材の開発と運用モデル」、通称MNGDプロジェクトの活動について紹介しながら、みなさんと一緒にアフリカの道について考えてみたいと思います。
第一回 10月16日:木村 亮「アフリカに大学を造る」
第二回 11月27日:安原英明 「アフリカで地盤環境工学を考える」
第三回 12月18日:福林良典「アフリカで住民と道普請する」
第四回 1月22日:亀井一郎「アフリカの土壌を改質する」 変更になりました(追記:2021年12月10日)
★変更★)第四回 1月22日(土)宮﨑祐輔(京都大学工学研究科・助教)「アフリカで土を問う」/松隈俊佑(京都大学アフリカ地域研究資料センター・特定研究員)「アフリカで工学研究者になる」
第五回 2月19日:澤村康生 「在来植物でアフリカの道を直す 」
*この公開講座は、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科の「令和3年度アジア・アフリカ地域研究履修証明プログラム」の一部として提供しています。
時間 15:00~17:00(開場14:30)
会場 オンライン(Zoom)、京都大学稲盛財団記念館3階 大会議室
*会場とオンラインの両方で開講予定ですが、感染状況によっては、 オンラインのみになる場合があります。
受講料 1講座 1,000円 (5講座 4,000円)
定員 会場での受講定員は30名(希望者多数の場合は抽選)
お申込み方法 「お名前(ふりがな)、ご住所、Eメールアドレスなどの連絡先、受講希望講座」を記して、下記のいずれかへお送り下さい。会場での受講を希望される場合は、その旨をお書き添えください。無記入の場合は、オンライン受講希望として扱わせていただきます。
1)E-mail: manabiafrica [at] gmail.com ([at]は@に変更してください)
2)郵便: 〒606-8501 京都市左京区吉田下阿達町46 京都大学アフリカ地域研究資料センター 公開講座係
3)FAX: 075-753-7831
各回、開講日の前週金曜までにお申し込みください。
お申込みいただきましたら、5日以内に受講受付と受講料振込のご案内を返信いたします。 入金確認後、当日までに会場での受講案内、あるいは参加URLをお送りします。 講座の映像は、開講日以降もオンラインで見ていただけるよう、アーカイブを公開します(期間限定)。
お問い合わせ 京都大学アフリカ地域研究資料センター
Webサイト)https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/archives/9731
E-mail) manabiafrica [at] gmail.com ([at]は@に変更してください) 電話)075-753-7831
2021年10月16日 第一回「アフリカに大学を造る」木村 亮
MNGDとは、エチオピアの公用語アムハラ語で道を意味します。ネットワークをひろげ地球と地域社会の発展をめざす(Making Networks for Glocal Development)という意味をのせて命名しました。私たちのような工学の研究者がアフリカに赴いてなにができるのか、アフリカの地に工学を専門とする大学を造った動機から、MNGDプロジェクトの発想に至るまでの経緯をおってお話します。
2021年11月27日 第二回「アフリカで地盤環境工学を考える」安原英明
地盤環境工学は、地盤と人間とのなかだちをする学問分野です。現代社会が直面する環境や災害などの社会問題の解決を目指しています。今回の講座では地盤防災技術として、自然界に存在する生物や環境に負荷を与えない原料を用いた地盤改良技術(バイオグラウト)について解説します。また、現在取り組んでいる、バイオグラウトの手法環境負荷を与えない地盤改良技術を応用したアフリカの特殊土壌の改良の試みについて紹介します。
2021年12月18日 第三回「アフリカで住民と道普請する」福林良典
近年アフリカでは幹線道路の整備が進む一方、人びとが日常的に利用する生活道路は未舗装で、雨季には泥田状態となり車両やバイクの通行や歩行もままならないところがあります。地元の人びとが簡便な道直しの方法を身につけ、協力して修復することができるようになれば、学校や病院へのアクセスも改善し、人やものの往来が活発になって、暮らしをもっと豊かにできるのではないでしょうか。今回の講座では、このような「道普請」を広める活動が、アフリカ各地でどのように受け止められ展開してきたかを紹介します。
2022年1月22日 第四回「アフリカの土壌を改質する」亀井一郎
木材をはじめとする植物性バイオマスはセルロース、ヘミセルロース、リグニンという3つの主要な成分から成り立っています。近年では、こういった植物由来の材料について、持続可能な資源活用の観点からバイオ燃料やバイオマテリアルとして様々な利用法が模索されています。MNGDプロジェクトではアフリカ土壌の改質材をセルロース系資材から開発しようとしています。今回の講座では、改質材として必要な性質とはどのようなものか、森林化学の視点から考えてみたいと思います。
2022年2月19日 第五回「在来植物でアフリカの道を直す」澤村康生
ドロドロの土があっという間にパサパサの土に?古紙を微細化加工して得られる天然高分子(セルロース)粉体は、その吸水作用により、対象とする泥土の化学組成を問わず、泥土の流動性を即時に低下させることができます。MNGDプロジェクトでは、エチオピアの在来植物からセルロース成分を抽出して土質改良材を開発しようとしています。雨季はドロドロ、乾季はカチカチになる特殊土、現地に広く分布するこのブラックコットンソイルの上に道を造ることはできるのでしょうか。