地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)
「特殊土地盤上道路災害低減に向けた植物由来の土質改良材の開発と運用モデル」

 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)
「特殊土地盤上道路災害低減に向けた植物由来の土質改良材の開発と運用モデル」

第1回パブリック・レクチャーを行いました。

2019年9月17日、アジスアベバ科学技術大学のレッドカーペットホールにて第一回パブリックレクチャーを開催しました。第一回目は本プロジェクトメンバーの岩井助教(名古屋工業大学)、宮﨑助教(京都大学)による講演でした。

岩井助教の講演テーマは、「最先端の三軸圧縮試験―ガスハイドレート含有砂を例に―」です。メタンハイドレートは日本列島周辺の海底地盤に豊富に存在していることが知られています。ただし,その採掘過程においては、メタンハイドレートを含む地盤を回収することになります。そのため、メタンハイドレートの安全かつ効率的な採掘のためには、メタンハイドレートを含む砂試料の力学的な挙動を解明することが重要です。今回の講演では、地盤工学の試験に用いる三軸圧縮試験装置を用い、温度・圧力条件を柔軟に変化させることで、メタンハイドレートを含む砂試料を作製し、その力学挙動の解明を試みる最先端の研究例が紹介されました。

宮﨑助教の講演テーマは、「地震時損傷メカニズムに対する模型実験と数値解析によるアプローチ例」です。世界的に見ても地震が頻発する日本においては、地震時被害は重要なテーマです。規模の大きな実構造物の問題と地震時のシミュレーションをどのように取り扱って研究するかが講演の主題です。講演においては、道路盛土に設置される埋戻し式のトンネルであるカルバート構造物を対象に、模型実験と数値解析を用いた、地震時損傷メカニズム解明へのアプローチ例について話しました。

質疑応答では、三軸圧縮試験に関する装置の機構や、エチオピアにおける地震の観測例などが話題に上がりました。互いの研究への熱量を感じるディスカッションの時間となりました。