2019年11月25日から2週間かけて、南オモにあるB村で、住民による道直しのデモンストレーションを実施しました。これは当プロジェクトが題目3において課題としている道路整備のための対策工運用モデルを確立するための試みで、地域の道路災害状況を把握し、行政・大学・コミュニティの連携により、住民の組織的な作業を牽引するというものです。実施場所については、事前に航空写真や聞き取りによる調査を経て、郡長やジンカ大学のゲブレ学長らと協議の上、決定しました。作業に先立ち、まず2019年10月17日に京都大学の金子守恵准教授らが、住民説明会を行いました。100人近い住民が説明会に参加してくれました。会では、このプロジェクトが道路補修のための新しい技術を紹介していることを説明しました。この会において、住民にあたらしい技術を知ってもらうためにデモンストレーションサイトでの道路補修作業を実施することになりました。この村で、定期的に実施している共同労働の日にこの作業を行うことで同意をいただきました。
[施工準備]
1)現地状況の把握
現地状況の把握、試験施工は宮崎大学の福林准教授と院生の佐藤さん、および現地コーディネーターが中心となって行いました。実施場所はB村の小学校の前の道、約125m。主要道路からの道路排水と小学校敷地からの排水が流入し、路面に深いガリー(浸食箇所)が形成された道路の状況を確認しました。
2)現地測量
B村の村長ら数名に道路整備の概要を説明し、デモンストレーションサイトの道路の縦断勾配と横断方向の形状(10m間隔)を測量しました。
3)図面作成と資材の準備
測量結果から図面を作成し、切土により発生する土量、盛土に必要な土量、必要な土のうの個数、砂利量などを算出し、デモサイトから少し離れた位置にある採石場で舗装用の砂利を選定しました。
4)現地住民の活動について調査
村で木曜の朝に行われているコミュニティワークの現場を見学。この日は主要な幹線道路の側溝の整備が行われていました。
今回実施したデモ施工は、コミュニティワークがない日の7時ころから2時間のみ作業しました。マーケットが開かれる土曜日と、休息日の日曜日はお休みでした。
[施工]
1)側溝の掘削
コミュニティから150名ほどの人々が集まり、作業。
2)路面の整地
側溝を掘った際に発生した土を土のうに詰め、深く浸食している箇所に敷設。
3)側溝の整形
4)砂利の敷均作業
トラックで運搬した砂利を敷均する。