地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)
「特殊土地盤上道路災害低減に向けた植物由来の土質改良材の開発と運用モデル」

 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)
「特殊土地盤上道路災害低減に向けた植物由来の土質改良材の開発と運用モデル」

「フィールド便り 052」を投稿しました。

2022年9月22日、場所:AASTU構内、撮影者:浅井
2022年10月4日、場所:AASTU構内、撮影者:浅井
2022年10月4日、場所:AASTU構内、撮影者:浅井

この国で一番楽しみにしていたのは、水を含むと大きく膨らみ、乾燥すると亀裂だらけになるBlack Cotton Soilと呼ばれる粘土に実際に触れ合うことです。乾燥しているとただの粘土ですが、水を含ませると、もちもちとした気持ちの良い弾力のある土に変わりました。この土がエチオピアのいたるところに分布しているようです。有機質を多く含み作物がよく育ちそうな土ですが、道路にこの土があるとどうなるのか。

アジスアベバ科学技術大学のキャンパス内にはこの土がいたるところに広がっていました。大学内にはコーブルストーンという舗装のための石が敷き詰められた歩道がありますが、タイヤの跡がはっきり残るぐらい軟弱なものでした。舗装石の下の土は問題となっているBlack Cotton Soilです。到着初日はまだ5 cmほど溝ができている程度でしたが、2週間ほど経った後には10 cm~15 cmほど陥没していました。どうやら2、3日雨が降った後に重機が通ったようです。この土にプロジェクトが研究している植物由来の改良材を加えるとどう変わるのか。

大学構内の研究室のすぐ外に実験に使った改良材を混合した土試料を仮置きさせてもらっています。そこに試験後の土試料を運ぶとき、自分の足にしっかりと踏みごたえを感じるエリアがあります。他の場所は主にBlack Cotton Soilなのでわずかに沈みますが、そこだけはしっかりとしています。なぜなのかと考えていると、松隈さんからここは3年前に新城さんが実験で使った試料を置いていた場所だと教えていただきました。なるほど、改良効果はしっかりと現れるのだなとひそかに感じた瞬間でした。

「フィールド便り」はこちらのページでアーカイヴしています。